今はネットで簡単に情報が手に入るので、行政手続についてもまず自分で調べる人が多くなってるんじゃないでしょうか。
行政手続の名称とかで検索してヒットした行政書士事務所のホームページやブログにある説明見て、とりあえずいけるとこまでやってみるとか、頑張って手続書類作ってみよっかなってなりますよね。
それはそれでいいんですが、ネットの情報はあんま信用せずに参考程度にしておきましょう。
なんで参考程度がいいのか
理由は4つあって
①普通に間違えてたり勘違いしてることがある
②基本的なことしか書いてない(書けない)
③場所や担当者が変われば手続の仕方や添付書類も変わる
④法改正とかに対応してないことがある
です。
①普通に間違えてたり勘違いしてることがある
にんげんだもの。
例えば、関連する2つの手続の比較表を逆に作っちゃってる行政書士事務所ホームページを見たことがあります。
自分もホームページに公開した後、何ヶ月かしてから間違いに気づいたりしますし、細かい表現とか、実務を通してそうとは言い切れないってことが分かったことをしょっちゅう手直ししてます。
取扱業務の建キャリ(CCUS)のページで「マスキング」と書くところが「スキミング」になってるのを発見したときは焦りました(ヤベーやつじゃん)
リンク先がリンク切れになってることもあります。
また、ブログ書くようになって気づいたんですけど、書くのはどうにかこうにか頑張ったらできるんですが、書きあげた後に出来上がりをチェックするのはめっっっっっっっちゃめんどいです。
みんながみんなちゃんと最終チェックまでして公開してるとは思えません(一緒にすんな)
行政書士だけじゃなく、行政機関が公開したり用意してる添付書類一覧とかでも間違ってたり、記載されてないものを求められることもあるので、行政機関が出してる情報だからといって正しいとも限りません。
AIにブログやコラムを書かせて内容が間違ってる人もいます。
②基本的なことしか書いてない(書けない)
たまにめちゃくちゃ詳しく説明してるとこもありますが、大抵は基本的な手続の仕方とか基本的な書類の作り方しか書いてません。というか書けません。
手続の決まりには原則だけじゃなく例外もあります。
原則はそれだけ書けばいいですが、別で例外が10以上定められてたりします。
こういう例外までいちいち説明してしまうとかなりのボリュームになるし、読む方も情報が多すぎてわけわかめ状態になるので、はしょることも多いです。
このHPでも「など」や「とか」を使ったりして説明はしょりまくってます。
簡潔に分かりやすく書かれていたら、分かりやすさを重視して相当はしょって説明してるかもしれないと思ってください。
分かりやすい=正確(=簡単)
ではありません。
行政手続の種類によっては、ガッチリ原則に当てはまってなんも問題ないって事案はほぼないです。
自分が相談を受けることが多い農地手続では、必ずといっていいほど分からないこと、確認しないといけないことが出てきます。
③場所や担当者が変われば手続の仕方や添付書類も変わる
同じ名前の手続でも、都道府県や市町村、さらには担当者によって手続の仕方や求められる書類が変わります。
場所によって違うのはローカルルールって言われたりしますね。
沖縄でやってて他の都道府県での業務を体験する機会がないのですが、こないだ福岡県行政書士会がやってくれてる風営手続のオンライン研修会を視聴したら、こっちとは違う手続の流れや、すげーめんどい添付書類があったりでびっくりしました。
次に、担当者によって違う。についてです。
人それぞれ気にするとこが異なるので、前はなんも言われなかった証明書類や確認書類を求められることもあります。
行政機関は異動があるので毎年といっていいくらいの頻度で担当者が変わる部署もあり、新任の方がどんなとこを気にするのかってのは行政書士としてはかなり気になります。他の行政書士から「めっちゃ厳しいらしい」とか聞いたらもう・・・
あと、市町村で審査→県で審査みたいなパターンの手続では、市町村の担当者から「県の担当者が変わって、これについての説明の記載も要求されるようになった」って話を聞くこともあります。
④法改正とかに対応してないことがある
手続によっては法改正とか運用の変更などで要件や書類が変わることがあります。
この改正は衝撃でした。
建設業許可でいったら経管の要件が廃止されたみたいなイメージです。
このブログ公開時点では、各農業委員会HPで下限面積要件廃止を反映してるとこは少ないです。これから更新していくものと思われます。
「行政書士 農地 3条」で検索して2ページ目まで見ましたが、下限面積廃止を反映してるとこはありません。つまりみんな間違ってます。こっちは更新されるか分からないので気をつけましょう。
「行政書士 貨物軽自動車運送事業」で検索して1ページ目に出てきた行政書士事務所のうち、変更前の説明のままになっているところが3つありました。
神奈川県警察HP
令和元年12月に風俗営業許可申請の必要書類になっていた「登記されていないことの証明書」が不要になりました。
こういうこともあろうかと必要書類一覧は載せてなかったこのHPに死角はなかった。
「風俗営業1号許可 行政書士」で検索して1ページ目に出てきた行政書士事務所のうち、必要書類としてまだ登記されてないことの証明書が記載されているところが3つありました。
げ、また改正されてる・・・
今度はなにが変わったんだ。怖っ。
最近は、行政手続のオンライン申請化に向けていろんな手続で添付書類の変更や要件の見直しなどがボコボコ出てきています。
今後、変更に対応できてないホームページだらけになるので一層疑ってかかりましょう。
行政書士のホームページやブログは信用しない方がいいのか
ちな自分は行政職員からブログの内容が間違ってると指摘を受けたことが2回あります。ほんとうにすみませんでした。
行政書士だからと盲目的に信用しないことが大事です。
なんか調べるならまずは同じ市町村内・都道府県内の行政書士事務所から見てみましょう。ローカルルールとかがあるかもしれません。
そして、内容が正しいとは限らないので1つだけを見て判断せず複数見比べてください。
よし書き上げた!最終チェックがんばれおれ!はーめんどくさ!