本題の前に、まずタイトルに迷いました。
相続手続してないことって一般的に「相続未登記」「未相続」どっちで言うんですかね?
相続手続に関わりある仕事をしている人はたぶん「相続未登記」だと思いますが、Google先生的には「未相続」の方が使われてるっぽいですね。なるほろ。
ってことでこのブログでは「未相続」でいきます。
未相続だったらどうなるんだってばよ
未相続のままで売買や貸借するのは相続人代表者1人ではできません。
農地の場合だと、売買・貸借・贈与・転用(農地に家建てるとか)などを行う場合、「相続人の同意書」みたいのを提出することになると思います。
手続によって相続人全員か、相続持分の過半数からの署名と実印押印と印鑑証明書をもらわないといけません。
それだけじゃなく、法定相続人が確認できる戸籍などと相続関係説明図もつけるので、結局ほぼ相続手続するのと同じような書類を集めることになります。
どうですかめんどくさくないですか。
共有だったらどうなるんだってばよ
共有の場合でも、全員か持分過半数からの同意がいります。
過半数って半分じゃないですよ。半分を超えないといけないので、同じ持分であれば共有者2人なら2人、共有者3人なら2人、共有者4人なら3人です。
共有をほっとくと、いずれは疎遠・遠距離・音信不通・離婚・仲違い・共有+相続などとなってさらにややこしくなります。
今は3組に1組が離婚するそうなので離婚するのは普通と考えてもいいくらいです。離婚になったらどうします?
どうですかめんどくさくないですか。
未相続や共有で問題になること
いろーんな問題が出てきます。
所有者本人や相続人たちが困る
何十年も相続手続きせずに相続人が100人超えるという事例もあります。
沖縄だと相続人が内地や外国にいて連絡が取りにくいとかもあるあるです。
未登記で27年、土地所有者が10倍超の395人に 国東市が提訴へ
朝日新聞
経済活動に支障が出る
未相続や共有の不動産は、売ったり貸したりしたくても敬遠されます。
増えてしまうと、売れない・貸せない土地建物が増えるということです。
相続人や共有者の1人が、ずっと事業で使ってきた事務所や駐車場を使わさない・貸さないとかいきなり言い出すってことも考えられます。
不動産が動かなくなると不動産市場はもちろん、土地や建物が必要な事業もやりにくくなってしまいます。
農業もそうです。
公共事業や近隣への影響
道の途中で不自然に一箇所だけ土地が食い込んでて道幅が狭くなってるみたいなとこは、もしかしたら未相続や共有で用地買収交渉がうまくいかなかったのかもしれません。
周辺環境の悪化
土地や建物が通行人や近隣住民に被害が出かねないような状態になっていることもあります。
倒壊のおそれやゴミが不法投棄されたり不審者が住み込むことも考えられます。
「相続人が93人いる空き家」の今...市の働きかけで相続人の数減るも空き家は放置状態 パイプやフェンスを応急で設置『特定空き家』に指定
よんチャンTV
空き家を解体・撤去するには相続人や共有者全員の同意がいります。
行政が行う場合、所有者が支払わなかったら税金でまかなわないといけません。
災害復旧が進まない
東日本大震災後の集落の高台移転計画のときなど大きな災害があるたびに問題となってます。
東洋経済オンライン
西日本新聞
とりま相続手続しましょー
住宅の共有は住宅ローンの関係でしょうがないこともあるかと思いますが(そのへんよく分からない)、相続手続はマジでやってもらいたいです。
相続問題には国も危機感を持って取り組んでいるので、ほっておくと「めっ!」てされるかもしれないです。